浄化対策のポイントは二つ。ひとつは汚染土壌を残置して管理していくか、すべて除去してしまうか。
それらを費用対効果の面から考えること。二つ目は、浄化技術は現場の状況から適切に選択すること。どんな状況にでも対応できる万能の浄化技術はありません。浄化技術を適切に組み合わせる。これが二つ目のポイントです。
土壌汚染の浄化対策には大きく二つの区分があります。
それは土壌汚染を封じ込めておくタイプと、分解、洗浄、掘削除去などを行い、汚染土壌を敷地内に残さない二つのタイプです。選択するタイプにより費用が大きく異なります。費用対効果の点からよく検討してタイプを決定することが重要です。
項 目
封じ込め
盛土・舗装
掘削除去
原位置浄化
施工イメージ
対策概要
汚染物質を敷地外へ流出しないように施工 清浄土で50cm以上の盛土/アスファルト舗装 汚染土を掘削除去後に清浄土で埋戻し 現場で汚染物質を分離/分解する
特 徴
1. 地下水経由の摂取の防止の観点から措置
2. 施工後は適切な維持管理が必要
1. 直接摂取の防止の観点から措置
2. 施工後は適切な維持管理が必要
1. 実施件数が最多
2. 操業中は適用困難
3. 掘削後の処分先の選定に慎重を要す
1. 土壌洗浄法
(対象:重金属)
2. バイオ・還元分解法(対象:揮発性有機化合物)
大規模工事の必要性
不要
必要
対策後の監視
※1モニタリング
必要
不要
法・条例の適用を受け、義務化される場合は必要
(原則、2年間)
コストイメージ
※2
500万円〜1,000万円
3,000万円〜10,000万円
※1.土壌・地下水汚染を封じ込める場合、汚染状況の変化、敷地外への流出防止が図られているかを定期的に監視する必要があります。
※2.敷地面積500m2〜1,000m2あたりのコストイメージです。実際のコストは汚染状況、汚染物質、土質、建物の有無などの個別要因により変動します。
浄化対策にはさまざまな手法があります。大切なことは現場の状況にあわせて適切に組み合わせることです。
封じ込めなどの措置対策の手法と対象地から汚染土壌を除去 ・分解する浄化対策手法の2つの種類についてご紹介します。
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概 要
利 点
含有量基準に適合しない汚染土壌の上面をコンクリートやアスファルトで舗装する工法。
1. 汚染土壌による人への暴露を遮断できる。
2. 覆いの損壊を伴わない限り、土地上面を有効に利用することが可能。
3. 最も安価な措置対策。
※舗装措置の適用要件
・含有量基準に適合しない土壌汚染である場合。
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概 要
利 点
溶出量基準に適合しない汚染土壌を原位置において封じ込める。汚染土壌に薬剤を添加し、混合・攪拌し土壌溶出量を指定基準値以下まで低下させ、原位置に埋め戻す工法。当該土壌上面はコンクリート舗装等で雨水の浸透防止を図る。措置後、定期的なモニタリングを要する。事前の適用可能性試験が必要
1. 不溶化効果の持続性、浸透防止が図られている限り、当該汚染に起因する健康被害の発生、周辺への拡散を防止する効果がある。
2. 土地上面を有効に使用することができる。
3. 安価な措置対策。
※不溶化埋戻し措置の適用要件
・重金属類による土壌汚染である場合。 ・第二溶出量基準以下の土壌汚染である場合。 ・地下水より上部にある汚染土壌の場合。
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概 要
利 点
溶出量基準に適合しない汚染土壌が地下水の下にまで及んでいる場合、当該汚染土壌、汚染地下水を原位置にて封じ込める。構造は汚染範囲外周に鋼製矢板等の遮水壁により系外への流出防止とし、上面はコンクリート舗装等で雨水の浸透防止を図る。措置後、遮水壁の外側で定期的なモニタリングが必要となる。
1. 高濃度の汚染土壌にも採用可能。
2. 遮水壁、上面舗装等の封じ込め構造を破壊しない範囲での上面の土地利用は可能。
3. 土地上面を有効に使用することができる。
※遮水工原位置封じ込め措置の適用要件
・第二溶出量基準以下の土壌汚染である場合。
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概 要
利 点
汚染範囲の土壌を掘削し、場外の汚染土壌処理施設に搬出し、処理する工法。掘削後は、清浄土にて埋め戻す。
1. 恒久的な浄化対策。
2. 特定有害物質の種類、濃度に関わらず施工可能。
3. 一般的に説明性に優れ、わかりやすい。
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概 要
利 点
汚染範囲の土壌を掘削し、場内にて土壌洗浄プラントを設置し、機械的に土壌を分級・洗浄して有害物質を除去する方法。事前の適用可能性試験を伴う。
1. 恒久的な浄化対策。
2. 洗浄後土壌の再利用ができ、清浄土の購入費用の低減が可能。
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概 要
利 点
汚染範囲の土壌にオーガーによる直接混合またはスラリー注入により、原位置で鉄粉と土壌を攪拌混合する。鉄粉の持つ還元力により、汚染物質を原位置で化学的に還元分解する工法。事前の適用可能性試験を伴う。
1. 恒久的な浄化対策。
2. 掘削を伴わない原位置での施工となるので、大がかりな設備を必要としない。
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